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DUCATI

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エンジン調整
ST4s FCRcarburetor
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ST4s engine maintenance
Multistrada1000DS
FCRcarburetor


20,000km走行の02年式ST4sのエンジン。

いつもツーリングに走り回ってる車両ST4sのオーバーホールを行いました。
エンジンは購入時に走行前に初期点検などの手を加え、そして一万キロ前にタイミングベルトの交換を行いましたが、4バルブエンジンは痛みが早いと聞くため、2万キロでの状態確認と、磨耗パーツの交換を行うことにしました。
先ずは、エンジンを開け、カーボンの付きなどを確認。
この車両キャブレター仕様ですので、他車両と同じとは言えませんが、それ程多くは無かったようで、燃費が24km/Lと好結果なので、カーボンの付きは2万キロ時点であける必要は無いかなと感じました。

そして、バルブ周りの点検を行います。
ちょっとした専用工具を使い、外して行きます。
この時、事前にバルブクリアランスを確認していく事が重要で、再度くみ上げるときに目安にする必要が有りますので一箇所づつ測定して行きます。

そして、外したバルブ、バルブの収まるバルブガイドを点検すると、磨耗も無く、ガタ、段付きなどがなく、流石な加工精度と感心しましたが、次にカムシャフト、ロッカーアームを確認すると、これが思った以上にダメージを受けてるのを発見…。

この部分のメッキは剥がれ落ちやすいと聞き、初期メンテナンスでカムシャフトのバリ取りを行い、そして定期的なオイル交換を行ってきて、かなり気を付けてきたのにも関わらず、こんな結果だった事にかなりのショック…。
一番ダメージを受けてるのは↑ので、
その他は↑右の様に小さな磨耗が見られました。
これが16本中4本に見受けられ、1本以外はどれもダメージ的には大した事が無いと言えますが、この剥がれ落ちたメッキが「鉄粉」としてエンジン内部のオイルラインに入ってエンジン全体に回ってしまうので、各部のメタルなどを痛める事につながるとの懸念も有り、エンジン内部の総分解点検を行うことにしました。

車体からエンジンを下ろし、クランクケースを割る為に両脇のパーツを外して行きます。
それ程気にしてなかったクラッチも開けて見ると、かなり磨耗してたので、これも交換となりそうです。

その他、専用工具を使いバラして行きます。


そして、クランクシャフトを抜き取り、コンロットメタルの確認と、クランクピンの面にキズが無いかを確認し、特にダメージがなかったので一安心。
一応クランクピン部にラッピング作業を行い、薄っすら有った汚れを落としました。
その他、特に腰下部のダメージを受けてるパーツは無かったようで、ロッカーアーム部からの鉄粉による影響はまだ無かったようです。
心配してた所の確認も取れたので、これで外したパーツの洗浄を行い、クランクケース部の組み立てを行います。

続いて腰上部の作業に移ります。
シリンダーヘット、ピストンについてるカーボンは除去し、バルブ周りは擦り合わせを行いました。
シリンダーヘットはこんな感じです。

擦り合せ後、バルブクリアランスをもう一度測定し、オープン、クローズドのタイミングシムを入れ替えて、規定のクリアランスに成るよう調整していきます。
前後気筒で全部で8ヵ所のバルブのシム調整は、かなり時間を要する作業ですが、このクリアランスが合ってませんと、バルブの開閉タイミングが合わず、性能を発揮しなくなるばかりか、タペットノイズを発生してしまう為、慎重に作業を進めます。

シム調整を終えたら、エンジンに組み付け、今度はタイミングベルトの調整へ移ります。
ベルトの張りをテンションゲージにて測定しつつ、タイミングが正常かも合わせて行きます。測定器を色々と使用しての調整の個所が多くあり、作業は大変では有りますが、やはりしっかりと作動するようにする事が、基本性能を発揮させる原点ですので、慎重に合わせて行きます。

これで、ベルト張り終えたら、エンジンにフレームを載せて、作業は終了です。
ロッカーアームのメッキ剥がれを見つけた時はかなり焦り、予期せずエンジン全部点検に成ってしまいましたが、2万キロ時点でのエンジン全体の状態が分かりました。

↓が今回交換したパーツ類です。
こう見ると結構パーツ交換してますね…。

どちらかと言うと2バルブ系エンジンに比べて、エンジンの磨耗が早いように感じ、特にバルブ周りの痛みが強く感じましたので、点検するには2万キロ時点が良い時期だったようです。

作業後に走行テストを行って見ると、以前よりも低速部のトルクフィーリングが良くなり、極低速部(1000から2,000rpmの間)の扱い易さが増して、大変力強さを感じました。
また、中速、高速域はピストンリングを交換したので、始めは馴染んで無い印象でしたが、200kmくらい走行後には軽快さが出るようになり、今まで以上にシャープな吹け上がりを見せてくれる様になり、かなり手を加えた事の効果を発揮してくれたようです。

いろいろと問題発生した今回の作業でしたが、このエンジンは高性能を発揮する事を目的に作られてるので、その反面、定期的にエンジンへ手を入れ、磨耗パーツを交換して行く事が、良い状態をキープする事につながる「4バルブエンジンを長く楽しむコツ」かもっと、ある意味「潔さ」を感じるエンジンだった事に気がついた作業と成りました。