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R1100GSのクランクバランス取り作業。
R100で大変効果的なバランス取りをR1100シリーズの車両でも作業を行いました。
R1100では以前低速部のトルク感の薄さを解消しようとこちらのFCRキャブレター取り付けと言う方法を行いましたが、より低速部のトルクフィーリングを向上させていきたいと、エンジン作業を行いました。

作業を行った車両はR1100GSの7万キロ強走行してる車両で、購入されてからずっと微振動が有ったとの事で、ダイナミックバランス取りでその振動が低減されればとの御依頼でしたが、作業前に試乗させて頂いた所、もの凄い振動を感じ、低速部から中速部に掛けてブルブル振るえる結構な振動を発し、4000rpm付近で一旦収まるものの、その上に行く高回転域に掛けて更なる振動が…
「あれ?以前乗ってたR1100Rではこんなに酷くなかったのになぁ???」と、それほどR1100シリーズの車両を乗ってる訳では無いものの、あまりの酷さにビックリしつつ、試乗を終えてエンジン作業に移りました。

エンジン構造はR100とは違うものの、後継モデルと言うことで作業は同じようにシリンダーヘット、シリンダーと外していきます。
シリンダーヘット周りの構造がR100と大きく変わっていて、R100で悩まされてた弱点も解決してるかと思ったんですが、バラして見ると何気にそっくり引き継がれてる様子…。
カムシャフトやバルブリフターに虫食いなキズが多数発見……。
プシュロットが短くなったから、大丈夫かなと思ってたんですが、やはり走行距離数が7万キロとなると、各部に疲労の色が見えました。
カーボンもそこそこ溜まってるように見え、良い時期に作業を行わせて頂いた印象を受けました。

次にエンジンを脱着作業に移ります。
フレームと言うものが無く、エンジンもフレームの一部と言う考えなのか、エンジンを外す作業は専用のエンジンアタッチメントを取り付けてリアフレームとフロントサス付近を連結させて吊り上げ、エンジンを降ろします。

そしてようやくエンジンをバラし、クランクシャフトなどに大きな傷が見られなかったので、クランクバランス作業に移りますが、その前に芯だし機でクランクシャフトの曲がりをチェックしてみると、大きくゲージが振れ、クランクシャフトの曲がりを検出…
どうも試乗の時に振動を感じると思ったら、クランクシャフトが曲がってて、その振れが振動としてフィーリングに出てしまってたようです…。このまま振れを修正を試みても、今後長く乗られる事を考えると使用する訳にも行かずに、クランクシャフトを新たな品でクランクバランス取りを行うことに成りました。
↑がクランクバランス取りの作業写真です。
今回一番初めに書きましたトルクフィーリングの向上を目指し、クランクシャフトの形状から特性の変化させる事にしました。↓のタングステンと言う比重の高い品をクランクウエイト部に埋め込み、クランクシャフトを重量を増し、その状態でクランクバランス取りを行います。
小さいながら比重が重く、質量があるので省スペースに埋め込んで行けます。
そこで埋め込む量の算出ですが、今回は低速域のトルク感を増したいと言う狙いがあったので、R100のクランクのウエイトを検証して、その対比バランスに沿い、そのバランス比と同じようにクランクにウエイトを埋め込んでいきました。

クランクシャフトとあわせてフライホイール、クラッチ板のダイナミックバランス取りも行いました。
こちらも取り付けられてたフライホイールが波打つような振れが発生してたため、新たなパーツとの交換となってしまい、何だかいろいろな部分での曲がりが発生し、その影響があの酷い振動の発生に繋がってたんだなと、ダイナミックバランサーのお陰で振動の発生源を一つずつ確認して行けて、入れ替えて行けます。

そしてバランス取りを終え、エンジンの組み立て、車両との取り付け時の写真は取り忘れ…、作業は思いのほか時間が掛かってしまいましたが、作業を終えました。

今回、交換したパーツを並べてみました。
7万キロ走行してるとなるとやはり痛みを発生してるパーツが多く、交換が必要となりました。

これら作業した車両はインジェクションなのですぐにエンジン始動し、スムーズな回転振動を見せてくれる車両と成り、走行フィーリングもR100の様なトルク感を感じ、FCRキャブレターを付けた時以上に乗り易さが生まれたような印象を受けました。アクセル開け初めのトルク感がしっかりと感じられるので、細かな道でのUターンなどでもエンジンストップする感じが無く、アクセル操作だけでスムーズに行える印象で、狙い通りのトルクフィーリングが出せたようです。お客様にお乗り頂き、同様の御感想を頂け、一安心。

そして、1000kmの慣らし走行を行って頂いて、高回転域のフィーリングの変化も確認してみた所、クランクシャフトを重くした影響はあまり感じられず、低回転域の力強さがしっかりと持続して回転が上昇してくれるようなフィーリングで、無駄な振動が発生して無い分、余計なエネルギー損出が抑えられ路面を蹴りだす力として駆動輪に伝わってくれてるような印象で、乗ってて心地よい感じ。懸念してたクランクウエイトの重くした影響もGSタイプではそれほど高回転まで回さないので感じられず、ダイナミックバランス取りを行ったお陰で、よりシャープな吹け上がりが増した印象です。

今回の作業は、最初に書きました「トルク感を増したい」と言う御希望に沿うようにクランクを重くしてバランス取りを行い、トルクフィーリングの変化が生み出せたので、この手法を使えば乗る方それぞれの御意向をお聞きして「軽量加工」や「重量を増し」を行い、エンジンフィーリング、特性の変化が出し、より乗る方のイメージに沿う様なエンジンフィーリングが実現できるクランクバランス取り作業に成りました。

低速部のトルクの薄さや、走行中の振動に悩んでる方などに大変お薦め出来る作業ですので、御検討下さい。
(作業費用などはまだ決まって無いのですが、こちらのR100の作業費用とそれほど変わらない金額を予定しています。詳しくはメールにて御連絡下さい)

最後に車両をご提供して頂き、時間を掛けて作業させて頂いたお客様に本当に感謝しながら、新たなBMWの楽しみを発見できた作業でした。